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DAILY ACTIVITIES OF RESIDENTS

修練医日記




病棟 ~新病棟へ移転~

2016年1月より新病棟へ移転となり、非常に綺麗な病棟へ生まれ変わりました。眼科の病棟はやはり患者さんの回転が非常に早いことが特徴です。毎日のように新しい入院患者さんを担当させてもらっており、いつも新鮮な気持ちで診療にあたっています。看護師さんも眼科病棟に特化しており、薬剤師さんも何でも相談できる非常に頼りになる存在で、いつもみなさんに大変お世話になっています。ローテートしてくる研修医も多く活気に満ち溢れています。

診察 ~丁寧な診察は眼科の基本~

現在、病棟暗室のスリット台は12台あり、かなり充実しています。暗室が改装され、ゆとりある快適空間になりました。そして、2016年1月より新病棟に移転後、診察室はさらにゆとりある快適空間となり、ゆっくりと丁寧に診察できます。当科では入院時の眼底診察を時間をかけて行うため、一人の新規入院患者さんに一時間以上費やすことも稀ではありません。

外来 ~学びの宝庫~

外来での修練医の仕事は、外来一診の予診とシュライバー、外来検査のお手伝いです。一診には、他病院から紹介状をもって受診される患者さんが主に来られます。問診・診察→検査→診断→治療方針決定の流れ、そして、患者さんへのIC。熟練の先生方の診察のノウハウを学ぶことができる貴重な時間です。
また、大学病院の外来は、専門外来に細分化されていることが特徴的です。それぞれ分野のエキスパートの先生方が、各分野の診療にあたられています。専門外来についてはdutyworkではないので、病棟業務や手術の空き時間に、自分が学びたい外来へ見学にいきます。入院中の診療では、なかなか見られない症例を見ることができたり、病棟診療では聞けない外来診療における先生方の考え方やテクニックを教われます。通水試験やレーザーなどの手技を指導してもらえたり…と、外来は学びの宝庫です!

入院 ~当科は43床~

毎日1~3人の患者さんの担当となります。朝10時には入院してきますので、受け持ち患者さんの診察が終わって一息ついたところで今度は新しく入院してきた患者さんたちの診察となります。

フリーな時間に診察します。2016年から電子カルテとなりましたが、眼底観察をしながらしっかりとスケッチを行う診察スタイルは変わっていません。スケッチは視神経乳頭の位置・大きさを見てから静脈・動脈を追い、さらに病変の形・色・大きさ・周囲との連続性などを、色鉛筆を駆使して記載していきます。次項回診では後視があります。

回診 ~教授、准教授の診察~

毎週月木は教授、准教授の回診があります。回診前には担当患者さんの病歴や入院後の経過などをわかりやすくまとめたプレゼンテーションの準備をします。毎日時間をかけて診察しているにも関わらず、気がついていなかった所見を瞬時に指摘されることも多々あり、もっともっと鍛錬が必要だと気づかされます。また入院中の患者さん全員の回診が行われるため、自分の担当患者さんはもちろんのこと、モニターで他の修練医の担当患者さんの診察もみることができます。まだ経験したことがない疾患や所見を担当医でなくても実際にみることができます。木曜の回診の後の質問コーナーでは日々の診療での疑問を准教授の先生にぶつけます。

カンファ ~教室全体で情報共有~

毎週月木は夕方からカンファレンスがあります。手術予定患者さんと術後の患者さんの病態把握、治療方針について教室全体で話し合います。特に上級医の先生でも治療方針や診断に難渋した外来患者さんの症例が議題にあがることもあります。さまざまな専門分野のトップクラスの先生方が集まって議論をされる姿は、とても刺激的です。また、週によって修練医を意識したミニレクチャーが開催されます。

手術 ~多様な症例を経験~

毎週水金は手術日です。2~3列で夕方まで手術が続きます。最近は網膜剥離や増殖糖尿病網膜症などに対する硝子体手術が増えています。また、緑内障手術や斜視手術も盛んに行われており、手術の多様さと難症例の多さは大学病院ならではだと思います。私達修練医は手術の介助につき、執刀する先生方が手術をやりやすいように水かけをし、術野を確保しながら、執刀医が何を考えているのか、次どう動くのか、自分だったらどうするのかを考えながら手術のイメージトレーニングをしています。実際の手技は研究室になるウェットラボで豚眼を使って練習に励んでいます。

その他

京大病院には例年多くの初期研修医がローテートしてきます。今年は7人。眼科に進むことを決めている両親が眼科医のサラブレットから、内科に進むことを決めていて眼科疾患の知識にも生で触れておきたいという殊勝な研修医まで、動機は様々。そんな彼らの病棟業務・診察手技・手術介助などの基本的指導もスタッフの先生と一緒に修練医が担当します。初期研修医と接する過程で「自分自身がわかったつもりでいて、正しく理解できていなかったこと」「背景知識を持っていない場合でも、どうすれば伝わりやすいのか」「どうして自分は眼科に進んだのか」などの、「本音の動機」が再認識され、熱心に指導しているとあっという間に時間が経ってしまって帰るのが遅くなることもよくあります。

今年の修練医

今年の修練医は出身大学も経歴も性格も趣味嗜好も多様性に富んでいます。カルテや手術記録の書き方・カンファレンスでの発表や普段の勉強のスタイル・興味引かれる疾患分野もみんなてんでばらばらで、人数が多いとやはり同期から受ける刺激が多くかつ強く、その中で自分自身を客観視できる、というのが大きなメリットであることは間違いありません。そんな右も左もわからない眼科医の雛たちを(心折れることなく?)熱心に指導し続けてくださった先生方・視能訓練士含め病院スタッフの皆様方には心より御礼申し上げます。京大眼科には眼科医人生を歩む基礎を修得できる環境が贅沢すぎるほどに揃っています。