menu

NEWS

教室ニュース

2024/2/17(土)
研究成果:日本人の50人に1人が「斜視」 京都大学の分析で判明、世界初の全国民調査

宮田先生の研究が新聞に掲載されました。

2024/2/17 京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1203119

2024/4/4 朝日新聞夕刊
https://www.asahi.com/articles/DA3S15904778.html


斜視は両眼の視線がずれいてる疾患です。複視が生じたり、遠近感がつかめなかったり、日常生活に支障をきたすことが多いのですが、実際にどの程度の患者が存在して困っているのか、世界的に見ても全国調査を行った研究はありませんし、実際に行うのは非常に困難です。

宮田 学 医学研究科講師、辻川明孝 同教授、田村 寛 データ科学イノベーション教育研究センター教授、三宅正裕 附属病院特定講師、木戸 愛 同非常勤講師らのグループは、ほぼ全国民の病名等のデータが格納されているレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を使って、斜視の患者数を調べ、日本の人口統計から有病率を算出しました。有病率は2.154%(約50人に1人)で、年齢層別に見ると子供と高齢者で多く、二峰性を示しました。学校検診で発見され、手術により壮年期で減るものの、加齢で新たに発生すると考えられました。病型割合は、外斜視67.3%、内斜視23.9%、上下回旋斜視6.7%で、内斜視が最多である白人とは異なっていました。人種間の遺伝的な差異が一因かもしれません。さらに、子供と比べて大人では上下回旋斜視が多く(1.4%と10.2%)、加齢性の要素が示唆されました。

全体像を把握することで斜視が国民病の1つであることが提起されました。


※当研究成果は、2023年11月29日に、国際学術誌「Am J Ophthalmol」で発表されました。
Am J Ophthalmol. 2023 Nov 29:S0002-9394(23)00490-7. doi: 10.1016/j.ajo.2023.11.022.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38040322/

記事一覧を見る