VITREORETINAL DISEASES

網膜硝子体外来

- 平日午前、それ以外の緊急対応あり

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CLINICAL OUTLINE

網膜剥離や糖尿病網膜症、黄斑上膜などの病気を治療するのが硝子体手術です。硝子体手術では白内障手術も同時に施行されることが多いですが50歳未満の場合は水晶体温存を検討します。硝子体手術では全例を25ゲージや27ゲージなどの極小切開経結膜無縫合手術とワイドビューイングシステムにより行なっており、安定した成績が得られるようになりました。

黄斑上膜は視力によらず患者さんとよく相談のうえ手術適応を決めています。視力が良く角膜乱視が1.5Dより強い場合は積極的にトーリックIOLとの同時手術を行います。黄斑上膜を除去する時に同時に内境界膜剥離を行うと黄斑上膜の再発が減ると報告されておりほとんどの症例で剥離されていますが進行した緑内障のある場合は慎重に考慮します。変視症や大視症の改善には個人差があり、治療効果を高めるための研究を行なっています。

黄斑円孔も1ヶ月以内には手術をしています。大きな黄斑円孔では内境界膜翻転を行います。術後はOCTで閉鎖が確認できれば伏臥位は解除しています。伏臥位はとれない事情のある場合でも側臥位が可能なら閉鎖が得られることがほとんどです。

高度近視の網膜分離症には中心窩の部分だけ内境界膜を温存して術後の黄斑円孔の形成率を下げるようにしています。

裂孔原性網膜剥離には病気の状態により、緊急での当日手術にも対応しています。常に緊急手術に対応できる体制をとっています。現在は若年者の萎縮性円孔によるもの以外はほとんど硝子体手術で治療されています。後部硝子体剥離のない若年者の網膜剥離には強膜内陥術を優先的に検討します。

網膜下出血は黄斑部にかかる場合は緊急で対応しています。初期治療は硝子体内ガス注入になることが多いですが、硝子体出血が続発することが多く複数回の手術が必要にあることもあります。

糖尿病網膜症などの網膜血管障害においてはステロイドや抗VEGF薬などの眼局所治療がまず行われ、再発を繰り返す場合や治療抵抗性の場合に光凝固や硝子体手術などの外科的治療が検討されます。


黄斑上膜術前


黄斑上膜術後


裂孔原性網膜剥離の硝子体手術


増殖糖尿病網膜症の硝子体手術