DIABETIC RETINOPATHY

糖尿病外来

- 毎週 火曜日 午前

MEMBER

村上 智昭、石原 健司、森 雄貴、西川 慶一

CLINICAL OUTLINE

患者さんへ

糖尿病外来は毎週火曜の午前中に、糖尿病網膜症を専門に診療をしています。

日本人は耐糖能が弱い方が多く、食事が改善された現在でも多くの方が糖尿病となります。糖尿病になって数年から数十年すると、糖尿病網膜症という病気を起こしてきます。進行すると失明することがあり、実際に日本における失明原因で常に上位を占めています。一旦発症すると根治することはありませんが、糖尿病網膜症の患者さんが、失明せず、また、少しでも良い視力で一生過ごせるように、診療に取り組んでおります。

特に、増殖糖尿病網膜症と糖尿病黄斑浮腫はしばしば視力低下をきたす病状です。硝子体手術、レーザー治療、抗VEGF療法、眼局所ステロイドといった様々な治療法を、個々の患者さんの状態に合わせて相談させていただく、いわゆる、個別化医療を目指し最善を尽くします。

病診連携をお考えの先生方へ

糖尿病網膜症の治療は進歩を続けており、増殖糖尿病網膜症による失明を回避するだけでなく、糖尿病黄斑浮腫による中等度視力低下からの回復も併せて行うことで、よりよいquality of visionを目指す時代となりました。

硝子体手術は小切開とwide-viewing systemにより、より安全に施術可能となっております。増殖糖尿病網膜症と牽引性変化を伴う糖尿病黄斑浮腫が手術適応で、当院でも積極的に手術を行っております。

抗VEGF療法は、現状では糖尿病黄斑浮腫の適応だけですが、網膜症の改善効果も明らかです。当院でも積極的に取り組んでおり、各々の特徴を持つ5種類の薬剤を、患者さんの病状とご希望に合わせて、使い分けております。治療費が高額となりますので、患者さんが納得できる薬剤選択、また、場合によっては、ステロイドやレーザー治療、硝子体手術も含め、患者さんファーストの医療をめざしております。

様々な治療を駆使しても改善が期待できない難治性視力障害として、糖尿病黄斑虚血と神経変性があります。また、原因不明の視機能障害の糖尿病患者さんも時々いらっしゃいます。海外の専門家とも協力しながら、次世代医療へとつなげたいと考えております。

上記の患者さんはもちろんのこと、それらに該当しなくても糖尿病網膜症でお困りの患者さんがいらっしゃれば、ご紹介いただけますと幸いです。

図1.増殖糖尿病網膜症に伴う牽引性網膜剥離に対して硝子体手術を施行した症例。
硝子体手術により線維血管膜を除去したのち、網膜は復位し、視力は改善した。
図2.糖尿病黄斑浮腫に対して、抗VEGF療法を施行した症例。
抗VEGF薬を複数回投与したのち、糖尿病黄斑浮腫は消失し、良好な視力が得られた。