CORNEAL DISEASES

角膜外来

- 毎週 月曜日 午前

MEMBER

上田 奈央子、中野 絵梨

CLINICAL OUTLINE

大学病院であることより、膠原病や糖尿病等全身疾患に伴う角膜疾患、抗がん剤等薬剤の副作用に伴う角膜障害、移植後の移植片対宿主病(GVHD)に伴う角膜障害、各種角膜感染症、ドライアイ等の患者さんを診療しています。ドライアイは比較的よくある疾患ですが、中には膠原病(自己免疫疾患)に伴うものもあり、眼所見や患者さんの自覚症状、血液検査などから膠原病の合併が疑われる場合には免疫内科に精査を依頼しています。特に慢性関節リウマチには二次性シェーグレン症候群や周辺部角膜潰瘍を合併することがあり、原疾患が増悪すると眼の病状も増悪する傾向があるため、免疫内科の主治医と連携をとりながら治療に当たっています。角膜感染症は重症化すると角膜穿孔に至る場合や、穿孔に至らなくても角膜混濁や菲薄化により視力低下に至る場合があり、有効な薬剤が確認でき改善傾向に向かうまでは頻回の診察が必要です。特に、糖尿病の患者さんや、ステロイドや免疫抑制剤などの投与を受けている患者さんの場合は、弱毒菌が原因になることや治癒に時間がかかることも多く、注意して治療に当たっています。ヘルペス性角膜炎は一旦治癒しても再発することがあり、継続的な検診や治療です。コンタクトレンズの不適切な使用による角膜障害も増えています。アカントアメーバ角膜炎はコンタクトレンズ使用者にしかほぼ見られませんが、初期には診断が難しいこともあり、通常の抗生剤は無効で重症化すると難治な疾患です。

比較的若い人で眼鏡では矯正できない視力低下があり眼底には特に異常がない患者さんの中には、角膜形状に異常がある人がいます。不正乱視や円錐角膜などは角膜形状の異常であり、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは視力が出にくくてもハードコンタクトレンズで良好な視力が得られる場合があります。当院には角膜形状解析装置や前眼部OCT(CASIA)があり、不正乱視や円錐角膜の診断を行うことができます。

難治性の角膜感染症やStevens-Johnson症候群、眼類天疱瘡などの角膜上皮幹細胞疲弊症、その他重症角膜疾患は、京都府立医科大学病院の角膜外来と密に連携をとりながら診断、治療に当たっています。

水疱性角膜症で角膜内皮移植(DSAEK)の適応がある患者さんや、帯状角膜変性や角膜ジストロフィーなどでエキシマレーザーによる表層角膜切除術の適応がある患者さんなど、外科的治療の適応がある場合は京都府立医科大学病院へ紹介させていただきます。


前眼部OCT(CASIA)での円錐角膜の診断