CENTRAL SEROUS CHORIORETINOPATHY

中心性漿液性脈絡網膜症外来

- 毎週 水曜日 午前

MEMBER

三宅 正裕、高橋 綾子

CLINICAL OUTLINE

黄斑外来の中でも、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)は、ドルーゼン・萎縮型加齢黄斑変性外来と同様に専用の外来枠を設けて診療を行っています。水曜日のCSC外来に紹介受診された患者さんには、紹介状の内容を確認したうえで、造影検査の必要性を判断し、検査を行っていきます。近年は、パキコロイド新生血管が合併しているかどうかの判断が必要になってきており、光干渉断層血管撮影(OCT-A)の結果などとも合わせながら診断を行っています。CSCと診断された場合、一般には、網膜下液が出現してから3ヶ月程度自然軽快がない場合に治療介入を検討しています。低強度光線力学的療法が第一選択とされており(Progress in Retinal and Eye Research, 2019, )、当院でも多くの方に対して実施しておりますが、状況に応じて蛍光漏出点への直接網膜光凝固を選択したり、パキコロイド新生血管の程度によっては抗VEGF剤(単独療法または光線力学的療法との併用療法)が考慮されます。

中心性漿液性脈絡網膜症は、長期の経過で加齢黄斑変性様の病態になると考えられており、急性期を過ぎたあとも経過観察が必要です。受診された患者さんには継続的な通院の重要性を説明し、急性期を過ぎた後は、ご紹介いただいた先生方のクリニックと当科との併診で経過観察を致します。

光線力学的療法の治療効果は高く、当科のデータでは、光線力学的療法を行った場合、行わない場合に比べて、網膜下液改善の確率が5-6倍に高まり、2年後の視力悪化のリスクが半分になります(Ophthalmology Science, 2022)。お若い方も多く大学病院への紹介がためらわれる場面も多いかもしれませんが、適切な受診・治療には大きなメリットがありますので、少しでも気になる患者さんがいらっしゃいましたらお気軽にご紹介下さい。