AMBLYOPIA AND STRABISMUS

斜視外来

- 毎週 火曜日 午後

MEMBER

宮田 学

CLINICAL OUTLINE

本外来の特色
  • 斜視手術が専門
  • 上下回旋斜視、特に上斜筋麻痺が得意
  • 科学的な根拠(エビデンス)に基づいた診断・治療
  • セカンドオピニオン目的の受診にも対応
斜視
1)斜視とは
左目と右目の視線がずれている状態です。それに対して、普段はずれていないが片眼ずつ検査するとずれているものを「斜位(かくれ斜視)」と言います。
2)斜視の症状
ダブって見える(複視)といった一般的なものから、眼精疲労・頭痛・肩こりといった全身症状を伴うものまで色々あります。
3)斜視の種類
a: 外斜視
視線が外側に向いている斜視です。外斜視になったり、まっすぐになったりする間欠性外斜視が最多です。
b: 内斜視
視線が内側に向いている斜視です。調節(目のオートフォーカス機能)が関与している場合があり、その場合は眼鏡が必要となります。
c: 上下回旋斜視
視線が上下方向にずれている斜視です。多くの場合回旋偏位(視線のねじれ)を併発しています。最も多いのは、上斜筋麻痺です。
e: 麻痺性斜視
主に、脳神経のうち眼球運動に関係する動眼・滑車・外転神経の麻痺により生じます。自然治癒する場合もあります。
f: 甲状腺眼症
甲状腺の機能異常に伴う斜視です。外眼筋が肥厚して、眼球運動をスムーズに行えなくなります。
g: その他の特殊な斜視
強度近視に伴う固定内斜視やDuane症候群などがあります。
4)斜視の治療
a: 光学的治療
屈折異常(遠視・近視・乱視)を矯正する眼鏡やコンタクトレンズによる治療や、プリズムを組み込んだ眼鏡、膜プリズムを貼り付けた眼鏡による治療があります。
b: 手術
光学的治療で改善しなかったり、使用感が悪い場合は手術となります。
目的としては、複視の改善や両眼視の回復(機能的改善)と、見た目の問題の改善(美容的改善)の2つがあります。
後転術・前後転術
一般的な術式です。外眼筋が眼球に付着している場所をずらします。
術量が予後を決定する上で最も重要で、経験に基づいた洗練されたテーブルを使用することだけではなく、本来の斜視の角度を術前に把握することにも注力しています。当外来では少なくとも1カ月プリズムを使用して検査します(プリズムアダプテーションテスト)。
また、A,V型の斜視を併発している場合は、少しの工夫を加えることで治すことが可能です。
個々の患者さんに応じたテーラーメイド斜視手術を行っています。
下斜筋減弱術
上斜筋麻痺や下斜筋過動に対して行います。
上下偏位の改善だけではなく、回旋偏位を改善し、さらに患眼が内側を向いたときに上転する現象を改善します。
下斜筋を固定する部位を工夫することにより、手術の効果を変えることができます。
筋移動術
主に麻痺性斜視に対して行います。麻痺していない外眼筋を移動して、その筋力を利用する方法です。
5)当外来における先進的な取り組み
神経眼科外来と連携して観察研究を行っています。種々のデータを解析することで、今後の診療に役立てる取り組みを行っています。京都大学医の倫理委員会の承認を得ています。