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DIABETIC RETINOPATHY

糖尿病網膜症に対する基礎研究

患者さんの血清を用いた免疫染色
糖尿病黄斑浮腫患者の血清中のIgGは、網膜抗原に反応するが、各層への反応のパターンは血清ごとに異なっている。

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糖尿病網膜症は、糖尿病が原因となる細小血管障害であると言われていますが、同時に、患者さんの視機能に直接影響する神経障害も惹起します。しかし、そのメカニズムは十分には理解されておらず、治療方法も確立されておりません。患者さんの光干渉断層計(OCT)画像から、10層からなる網膜の内、特定の層のみが選択的に障害されることが明らかになってきました。我々は、特異的な自己免疫機序がそのメカニズムに関与する可能性を探求しています。糖尿病黄斑浮腫の患者さんの血清中に、網膜内抗原と反応する自己抗体を新しく同定しています。特に、黄斑部視細胞障害と関連する自己抗体に関しては、その障害のメカニズムを明らかにし、新たな治療標的を見出すべく、研究を進めています。(村上 智昭)

患者さんの血清を用いたWestern blot法
Western blot法でも、糖尿病黄斑浮腫患者のIgGは、網膜抗原や視細胞に発現する様々なタンパクと反応する。