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DIABETIC RETINOPATHY

糖尿病網膜症に対する臨床研究

糖尿病黄斑浮腫における抗VEGF療法後の視細胞の修復。糖尿病黄斑浮腫において、視細胞障害が視力低下と関連があるが1、その治療法はなかった。抗VEGF薬により治療すると、一部の症例では、視細胞エリプソドゾーンが改善することが明らかになった2
1Murakami T, et al. Am J Ophthalmol. 2011 151:310-7. 2Mori Y, et al. Sci Rep. 2016; 6:39161.

RESERCH CONTENT

糖尿病の患者さんは増加の一途をたどり、失明につながる増殖糖尿病網膜症と、quality of vision (QOV)を低下させる糖尿病黄斑浮腫の診療が重要となっています。我々は、眼底イメージング装置であるOCTやOCT angiographyを用いて、それらの病態を研究しています。特に、患者さんのQOVに直接的に関与する黄斑浮腫と黄斑虚血のメカニズムが徐々に明らかになってきており、いずれ、新たな治療標的とできるよう解析を続けています。また、抗VEGF療法などの治療の進歩により、患者さんの平均的な視力予後はずいぶんと向上していますが、その個別化医療に向けた研究も進めており、より効果的に患者さんの福利に還元することを目指しています。(村上 智昭)

糖尿病黄斑浮腫に対して、黄斑部への光凝固を施行した症例。
周中心窩における血管透過性亢進が漿液性網膜剥離の一因となる1
耳上側の周中心窩における過蛍光部位に対して、局所および格子状光凝固を施行し、中心窩の漿液性網膜剥離は消失し、良好な視力が得られた。
1 Murakami T, et al. Ophthalmology. 2013 120:2596-603.